4、小熊のクーちゃんと川の神様 - 妖精のイタズラ
水の妖精のおねえさんは、
クーちゃんをみてニッコリとしながら、
「あなたね、この水草のサラダを持って川の神様
に差し上げてらっしゃい」
と言うのです。
そう言うと、水の妖精のおねえさんは、
その水草のサラダの上から、なんとお塩をタップリ
と振りかけるのです。
不思議に思ったクーちゃんが、
「そんなにお塩を振りかけて大丈夫なの?」
と、聞くと、右手を口に当てて、
笑いをこらえているような水の妖精のおねえさん。
ようやく口を開くと、
「フフフっ、心配ないわ。それでね、
川の神様がこれを口にされたら、あなた、
なるべく楽しそ~に、神様食べた~、神様食べた~って、
二回ぐらい大きな声で言うのよ」
と、言うのです。
「ふ~ん、なんで?」
と、クーちゃんが聞くと、水の妖精のおねえさんは、
「フフ、いいのよ。あなた、これで元の姿に戻れるからね」
と言うのです。
なんだか良く分からないクーちゃん。
ともかく今は、水の妖精のおねえさんの言う通りに
するしかありません。
そう思って、お塩たっぷりの水草のサラダを頭にのせて、
川の神様のもとへとスイスイと泳いでいきました。
クーちゃんが岩かげからこっそりのぞくと、
川の神様がいらっしゃいます。
大きな岩に背をもたせかけて、
コックリコックリと居眠りをされています。
「あの~、かっ、川の神様」
と、クーちゃんは、恐る恐る声をかけました。
「んん~~ん、誰じゃ?」
と、目を覚ます川の神様。
手で目をこすりながら、
「なんじゃ、お魚さんか。何か用かな?」
と、クーちゃんに言いました。