わがままイッパイに育ったポポは、勝手気ままな犬に育ってしまいました。僕たちは最初の子犬を死なしてしまったということが、心のわだかまりとなっていたのです。
さて、ポポを連れたボクたちの散歩。リードを外されたポポは、ボクなど放っておいてあっちに行ったりこっちに行ったり。そのくせ、しばらくするとボクの顔を見に来て、いることを確認すると、またどこかへ行ってしまうということの繰り返し。
ぼくの住んでいる某市のはずれは、その昔は鬱そうたる山の中でした。下れば田んぼ、上がれば畑、斜面はほとんど雑木林、それらに囲まれて、わずかにある民家は陸の孤島といった感じでした。
犬のしつけ 困ったことは、ポポの噛み癖でした。と、ともに、そんな犬のしつけをまったく気にもしていなかったボクたちも、やっぱり困ったものなのでした。 もちろん、貰ってきた当初は、ポポもまだ子ども。噛まれたって痛くありません。それでも遊びなどに…
ぼくが小学校の低学年ごろのことでした。4つ上のぼくの姉が友達から雑種の子犬を一匹もらってきたのです。
ミケ子をナンバーワンの女性猫だという怪獣のポーチ。なにがどうしてナンバーワンなのか、サッパリのニャン太。
ミケ子に想いを寄せる怪獣のポーチ。怪獣のくせにと思いつつも、ポーチの話に耳を傾ける
ニャン太は、まじまじと、ポーチを見つめた。怪獣のくせに恋だなんて、世にも不思議なことがあるものだ、と思う。
ポチといっても、あの嫌な犬族じゅあない。りっぱなネコである。本当はポーチという。変な名前だとニャン太は思う。もっともニャン太は、ポチとは呼ばないし、ましてや“ポーチ”なんて、長ったらしくて、面倒だと思っている。 「怪獣!」 と、ニャン太は呼ぶ。…
ニャン太が思うに、どうも人間の笑い顔はひと通りではないようだ。たけしなんぞは、いつもニッと笑う。笑う方が短い。おばあさんのは違う。いつまでもニコニコと笑って笑い方が長い。 たけしのニッは、要は自分がよければそれで満足なんである。相手がニャン…
自分の縄張りを歩くニャン太。あちこち鼻を近づける。くっつける。クンクンやってニオイを確かめる。すりすりと下あごをこすりつけ、安心のニオイをかいで満足する。自分の縄張りはあくまで守る。ニャン太は、大真面目だ。
うなり声をあげて飛びかかろうとするたびに、シロのクサリが、ガチャガチャなった。睨んだ眼つきと口から見せた牙は、恐いなんてもんじゃあない。
ニャン太は、ジワリジワリと犬のシロに近づいて行った。と、シロの耳がピクッと少し動いた。ギクリとするニャン太。
屋根から降りたニャン太。勇気を身体にみなぎらせ、道の隅っこを歩いて行った。
ひと休みした屋根の上で、ネコのニャン太はライオンになった。身体はネコだ。でも心はライオンだ。これ以上の満足はない。
心の真ん中に強そうなライオンの姿があった。ニャン太の気分は、心は、もうすっかりライオンだった。
心の中のライオンがガォォ~と吠えた。と、胸のモヤモヤをどこかに追いはらってしまった。やっぱりウキウキしてきた、ワクワクしてきた。
勢いよくニャン太郎の心にライオンが戻ってきた。と、やっぱりうきうきしてくる、ともあれ嬉しさがこみ上げてくる。
突然頭に割り込んできた犬のシロ。おかげで、嫌な気持ちが胸の中で広がった。頭で考えたことが胸のあたりに移動して、熱い炎をすっかり消してしまった
不思議なことに、いったん頭にイヤな気持ちが浮かぶと、それがしつこくこびり付いてくる。こにイヤな気持ちは、なぜかどこまでも追いかけてきて、ニャン太を増々、イヤな気持ちにさせるのだ。
ネコの散歩とはいっても、要は自分の縄張りの点検だ。 どこか知らないよそのネコが来ていないかどうか確かめる。クンクンあちこちかぎながら、縄張りを歩く。ネコの散歩は大真面目なのだ。 これをちゃんとやっておかないと、後々、面倒になることもある。
タケシの手がニャン太をつかまえた。グイッと抱きよせた。ニャン太は、面倒なのでされるがままになっていた。そしたらちょうどテレビの前に顔がきた。
寒い冬の夜だった。黒ネコのニャン太は、とっても暖かいお家でゴロンとひっくり返っていた。
空腹のためか、ボクのバケツに子猫たちが群がります。 バケツのハゼは、あっという間に無くなってしまいました。
入り江の水路は、ハゼつりの絶好な場所です。 そこは漁船を海から上げておくために、水路に向かって斜めにコンクリートで固めてあるのです。
ター坊を叱るのはちょっとかわいそうだが、これも未来ある少年のためだ。叱るのは大人の義務だ。それに、これでター坊のお母さんも、きっと安心するのに違いない。
立派な森のかわら版によると、この世で人間ほど、アホな生き物はいないとのことだ。それが、やさしい人間とはどういうことだ。
まじめ過ぎるチュー助の顔は、心配でたまらないという表情で、フクロウじいさんに言った。 「森のかわら版に、ちゃんと書いてあったからね。病人は寝てなくちゃいけないよ」 チュー助の声は、もはや心配を通り越して、まるで怒るような、責めるような調子だ…
子どもなんてどこにもいなかった。そりゃ、いるはずなかった。奥さんは、子どもなんて生んでいなかった。そりゃ、チュー助と一緒になってまだ新婚だし、いくら欲しくてもそう簡単じゃあない。でも、しっかりと奥さんの気持ちは傷ついた。
森のかわら版は、いたって親切だった。だって、こちらが考えることも怒ることも悲しむことだって、ぜんぶ教えてくれる。