大人の童話館

自作の創作童話やエッセイなどを投稿していきます。

2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧

1、立派な森のかわら版 - 新婚ほやほやネズミの夫婦

大きな木の下に小さな家があった。ネズミの夫婦が住んでいた。ネズミの夫婦は働き者同士だった。中でも奥さんは、まだ若いながら近所でも評判の働き者で、しかもなかなかの美人だった。そんなネズミの夫婦は、まだ新婚ほやほやだった。

4、のろまのドン太はカタツムリ - 前へと進む

ドン太は、空を飛んでみたいという夢を持っていた。でも、自分はカタツムリだから、ムリと諦めていた。夢は夢であり、憧れはとどかないものとだとも思う。だから、チョウ子の白い羽がうらやましくて仕方なかった。

3、のろまのドン太はカタツムリ - チョウ子の白い蝶の羽

辺りはお日様がいっぱいだった。だけど、雨は一晩中降った。おかげで、花も葉っぱも、まだぐっしょりと濡れている。葉っぱの先についた雨のしずくが、キラキラとお日様をはね返す。

2、のろまのドン太はカタツムリ - 元気があふれる

カタツムリと黒アリの二匹。互いに火花を散らしていたが、やがて別れた。

1、のろまのドン太はカタツムリ - 明るい森の道で

のろまのドン太はカタツムリ 。明るい森の道で黒アリとであい、罵り合う。

12、迷い込んだ真っ白でキレイな文鳥 - みんなの幸せを願う

ピンク色のクチバシをパクパクと動かせながら、 一生懸命に話しかける白い文鳥。真剣な眼差しで 訴えかけるように、 「本当に自分の幸せを願うなら、まずはみんなの 幸せを願うべきじゃないでしょうか・・」 と、言います。 「うん、うん。そうだね」 と、眠…

11、迷い込んだ真っ白でキレイな文鳥 – 全部つながっている

シロは、高ぶる気持ちを落ち着けると、 「・・あなた、ご主人たちは感謝するど ころか、なぜかすごく怒って、ミーチェを 追いかけ回すんですって。ミーチェは、 言っていました。 人間はどうして、こうも分からず屋なんだ ろうって。わたし、ミーチェがかわ…

10、迷い込んだ真っ白でキレイな文鳥 - 涙があふれるシロ

父さんが働いているから大丈夫だよと言 いたかった一平。 しかし、文鳥のシロの勢いに気圧されて、 黙って聞いていました。 シロが真剣な顔をして、 「食べ物がなくなってしまったら、人間たちはどうす るんだろうって。だって、いくら人間だって食べな りゃ…

9、迷い込んだ真っ白でキレイな文鳥 - 心配しているペットたち

文鳥と犬とネコが、額をよせ合って相談しているという。 課題は、“じょうずに人間に飼われるためには”とか、 “いかに人間とつき合うか”などだそうです。 一平はビックリしました。文鳥や犬やネコたちが、 そんなことを話し合っているなんて思ってもみま せん…

8、迷い込んだ真っ白でキレイな文鳥 - 呆れ顔の一平

ピンク色のくちばしを震わせながら、 一平を見つめる文鳥のシロ。 そんなシロに向かって、 「お前だって家族の一員なんだよ。 そんなお前を嫌うやつがあるかい」 と、言ってやりました。 「そうでしょうか」 「うん、そうだよ。そんなの決まっているじゃん」…

7、迷い込んだ真っ白でキレイな文鳥 - 嫌っているのですか

ピョンピョンと跳ねながら、 一平に近づく文鳥のシロ。 「わたし、じつはそのことで、おとなりの犬の クロに、相談にのってもらったんですよ」 「へっ、犬にかい?」 一平はビックリしました。 文鳥と飼い犬のクロとが、顔を突き合わせて相談する。 そんな光…

6、迷い込んだ真っ白でキレイな文鳥 - すぐに怒りだすご主人

一平は勉強机の椅子に座り直していました。 すると、腕を組み、文鳥のシロを黙って見下 ろしていました。 「なんで、家出なんかしたの?」 と、一平が聞くと、シロは静かに顔を上げて、 「聞いていただけますか?」 と、訴えかけるように言うのです。 「うん…

5、迷い込んだ真っ白でキレイな文鳥 - 寂しそうに見える

じっとシロを見つめる一平。 家出してきたと聞いて、 「えーっ、家出だって。文鳥のお前が・・」 と、驚きながら、目を見開き、真ん丸にしてい ました。 顔をつきだし、ますます、しげしげと、 文鳥のシロをながめていました。 夜になってから風が出てきまし…

4、迷い込んだ真っ白でキレイな文鳥 - 話しかける一平

思いっきりあせった一平は、あんまりびっくりした ので、言葉が途切れて出てきませんでした。 でも、白文鳥のほうは落ち着いたもので、 「最近では、カラスさんだって、スズメさんだって、 みんな、よくしゃべりますよ」 と、よくあることだと言うように、 …

3、迷い込んだ真っ白でキレイな文鳥 - しゃべる鳥、白文鳥

文鳥は、トーストの上にチョコンと座っていました。 まるで、ずっと前からそこにいたかのように、 落ち着きはらっていました。 部屋の明かりで、あらためて文鳥をよく見ると、 まっ白い羽がキラキラと輝いて、 とてもキレイでステキな文鳥でした。 「おいで…

2、迷い込んだ真っ白でキレイな文鳥 - キレイでカワイイ白い文鳥

ピンク色したクチバシをほんの少し開けたままの 文鳥の顔が、一平に向きました。 文鳥は、頭を傾けたまま、いつまでもじっと、 一平を見つめていました。 「なんだ、おかしや奴」 しばらくの間、一平と文鳥はお互いに見つめ 合っていました。 一平は、そぉー…

1、迷い込んだ文鳥 – 欲しかった文鳥 

それは夏休みが終わってすぐの、 ある晴れた日の午後でした。 小学五年生の一平は、学校から帰ると、 二階にある自分のお部屋で寝転んでいました。 まだまだ、暑い日が続いていました。 開け放したお部屋の窓から、ミーン、ミーンと、 しつこいほど耳につく…

便利な空飛ぶ古新聞5 - 不便になった古新聞

みんなが古新聞に乗って出かけるようになったために、 空の上がガヤガヤと大騒ぎになってきた。 それはもう、渋滞なんてもんじゃない。 みんながみんな空の上で大混雑していた。 ママのお買い物もパパの通勤にしても、 それはやっぱり同じだった。 その上、…

職場での人とのめぐり合い-職場の人間関係

インドのタゴールは、こんな言葉を残しております。 「人間は孤立すると、自己を見失う。 すなわち人間は、広い人間関係のなかに、 自らのより大きく、より真実な自己を見出すのである」 人間は、どうあれたった一人では生きていけない生き物 であると同時に…

便利な空飛ぶ古新聞4 - 空の大渋滞

ぼくたちは家にある古新聞を大いに活用していた。 雨の日以外は、どこに行くにも、古新聞に乗って スーイと飛んで行くことができた。 どこに行っても、注目の的となれた。ちょっとした 有名人になった気分だった。 古新聞がこんなよいものとは思わなかった。…

便利な空飛ぶ古新聞3 - 古新聞で空を飛ぶ

すっご~い。片付けていた古新聞に乗って、ぼくは、 今、空を飛んでいる。 『知らなかった。そうか、古新聞って空を飛ぶものなんだ』 そう思って、ぼくは感心した。 こんな便利なもの捨てるなんてもったいない。 地上に下りて他の古新聞を見ると、なるほどみ…

便利な空飛ぶ古新聞2-  舞い上がる古新聞

ぼくを乗せて飛ぶという古新聞。そんなことってあるの? でも・・、ものは試しだ。 「新聞紙よ、飛べ。ぼくを乗せて空を飛べ」 ぼくは、大きな声で言った。 すると、ガサガサと音を立てて古新聞が震えた。 畳んでおいたものが勝手に開いた。 折り目がなくな…

便利な空飛ぶ古新聞1- 古新聞の片付け

秋晴れの日曜だった。 その日、ぼくはママから物置の片づけを仰せつかった。 でも、本当は友だちのところへ遊びに行くはずだったのだ。 「だって、前からの約束だったでしょう」 と、ママの顔が怖い。 ニヤニヤとメガネの向こうでパパが笑う。 まったく親と…

3、お星さまとすずめの子 – 仲良しの二人

すずめの子と星の子は、すっかり打ち解けて仲良し になっていました。 すずめの子は巣から下の地面へと降りていき、 二人は仲良く遊んでいたのでした。 しばらくすると星の子が、 「さて、困ったぞ」 と、空を見上げてつぶやくのです。 「どうしたの?」 「…

2、お星さまとすずめの子 – 仲良しの二人

翌朝、すずめの子は一人でお留守番をしていました。 と、空から、スー、ストンと何かが落ちてくるのでした。 「あぁ~~痛い、イテテェ~」 木の下から声がします。 すずめの子は巣から体を乗り出し、 声のする下の方をのぞいていました。 なんと、空から落…

1、お星さまとすずめの子 – 星空を見上げる子すずめ

大きな木の上にすずめの巣がありました。 巣では、お母さんすずめの横で子すずめが、 夜空を見上げていました。 星空のきれいな夜でした。 お星さまの一つ一つがキラキラと輝いていました。 すずめの子はいつまでも見上げていました。 「ぼうや、何を見てる…

6、雪ダルマのオバケ- 雪遊び

翌朝、目をさました正太が、部屋の窓から外の景色を見ると、 どこもかしこも雪でまっ白でした。 目の前に広がる一面の銀世界。 寒いのも忘れて、正太の顔がニコニコと笑っていました。 正太は、ザク、ザクとレインシューズが雪を踏む足音を 聞きながら、学校…

5、雪だるまのオバケ - 大きな雪ダルマ 

じっと正太を見つめる雪ダルマのオバケ。 炭で描いたようなその目が少し吊り上がり、 やはり炭で描いたような丸い口がパクパク動くと、 正太に、 「いえいえ、わたし、いつもあなたたちをお空の 上から見ているのですよ。 確かに、あなた、雪がお望みでした…

4、雪だるまのオバケ- 出てくる理由

ようやく、少しだけ落ち着きを見せてきた正太は、 「えっ、えっ、だって、オバケって冬に出ていいの? 夏に出るものと思っていたけど・・」 と、目を丸くしながら言うと、続いて、 「それにまっ昼間から出ていいの? 夜中って決まっているのじゃなかったの?…