2、小熊のクーちゃんと川の神様 - お魚に変えられるクーちゃん
川面にちょっとだけ顔を出して様子をうかがう川の神さま。
怒ったコワイ顔をして川原を見回すと、
小熊が小石を川に向かって放り投げながら、
楽しそうに遊んでいるではありませんか。
「さては、あいつじゃな。よくも、このわしの頭を!
よーし、奴を川に引き入れてから、お魚に変えてやる!」
川の神様は、その力を使って、クーちゃんを川へと引き入れると、
なんと、小さなお魚に変えてしまったのでした。
川に引き込まれながら、怖くなったクーちゃん。
ブルブルと震えて、
お母さん熊に助けてもらおうと声を出そうとしたのですが、
なぜか声が全然でないのです。
見ると、お母さん熊は真剣な顔をして、
「よいしょ、よいしょ」
と言いながら、
大きな手を振るいながらお魚を追いかけるのに夢中です。
お母さん、助けて! と心の中で叫ぶクーちゃん。
わ~わ~と泣きながらわけもわからずめちゃめちゃに、
川の中を泳いでいました。
ふと気づくと、お母さん熊がお魚になったクーちゃん
を見ています。
お母さん、ボクだよ~~、ボクだよ~。
でも、その心の声はお母さんには届きません。
「まあ、かわいい魚だこと。
そうだ、クーちゃんのお土産にしましょう」
と言うと、お母さん熊は、
その大きな腕をクーちゃんに向かって振るってくるではありませんか。
わ~~、わ~~。お母さん、ボクだよ~。
泣きながら逃げるクーちゃん。
やっとのことでお母さん熊から逃げ切ると、
どうしたらよいか分からなくて、
大きな岩の下でシクシクと泣いていました。
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