大人の童話館

自作の創作童話やエッセイなどを投稿していきます。

1、愛犬ポポの物語-甘やかし過ぎ 

 

まだ、ぼくが小学校の低学年ごろのことでした。4つ上のぼくの姉が友達から雑種の子犬を一匹もらってきたのです。

 

ぺペと名づけられたその子犬は、まだ幼かった姉やぼくに構われすぎたのでしょうか、家に来てほどなく死んでしまったのです。

 

姉は、“可哀そうな事をした”と、しばらくの間、悲しみにくれていましたが、そのことを聞いた姉の友達は、ぺペの兄弟がいるからと、また別のメスの子犬をくれたのでした。

 

ぺペの次に家に来た犬は、ポポと名づけられました。

「何で、ポポなの?」と、ぼくが姉に聞くと、

「バカね、“ぺ”の次は”ポ“でしょう」

と言います。

 

「ああ、そうか」

と、カンタンに納得するぼく。最初の子犬を死なしてしまったぼくたち。もう二度とこんなことがないように、十分に気をつけて飼うようにしました。

 

もちろん可愛がって、ポポが少しぐらい悪戯をしても叱らないようにしていました。ポポは元気イッパイに育ってくれました。

 

でも、甘やかし過ぎたためか、わがままイッパイな犬にもなってしまいました。もともと教育好きな姉のおかげで、“お手”、“お座り”とゴハンの時の、“マテ”だけはなんとか教え込んだものの、それ以外のことはやっぱり甘やかし過ぎで、好き放題やりたい放題でした。

 

犬も人間の子どもと同じで、怒られないとなると、なんでもやってのけるようです。きっと甘やかし過ぎのためでしょうか、家の前を人が通り過ぎるたびに、“ワンワン、ワンワン”とけたたましく吠えたてます。

 

敵に見立てられた姉の縫ぐるみは、とうとうビリビリに破壊されてしまいました。また、庭に出てはあちこち土を掘り返すクセがついてしまい、花壇がメチャクチャになってしまって、もう庭に何も植えることができなくなってしまいました。

 

ぼくに飛びついてくるなんてことは平気です。当時は、たぶん愛情の表現なんだろうぐらいに思っていたのですが、ぼくの友達の家の犬たちは、そんなことしていませんでした。

 

そして、ずっと後になって気づいたのですが、これは甘やかし過ぎなんかではなく、単にしつけの問題とのことでした

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