大人の童話館

自作の創作童話やエッセイなどを投稿していきます。

3、迷い込んだ真っ白でキレイな文鳥 - しゃべる鳥、白文鳥



文鳥は、トーストの上にチョコンと座っていました。

まるで、ずっと前からそこにいたかのように、

落ち着きはらっていました。

 

部屋の明かりで、あらためて文鳥をよく見ると、

まっ白い羽がキラキラと輝いて、

とてもキレイでステキな文鳥でした。

 

「おいで」

と、一平が声をかけました。  

 

文鳥は一平に応えるように立ち上がると、

羽をブルブルと震わせていました。

 

細い二本の足をきちんと揃えて、机の上をチョン、

チョンと跳ねながら一平に近づいてきました。

 

すると、まるで一平に話しかけでもするように、

チィチィチィと鳴いているのです。

 

一平がパジャマに着替えて、

部屋の明かりを消そうとしたときです。

「・・あっ、あのー、すみません・・」

と、小さな小さな、でも、すき通るような

澄んだ声が聞えてくるのです。

 

「えっ? だれっ?」

一平は、キョロキョロと部屋を見回しました。

でも、だれもいません。

 

自分のほかには、昼間、窓から迷い込んできた

白文鳥が、またトーストの上にチョコンと

座っているだけ。

 

なぜだか、黒くてまん丸い二つの目が、

じっと一平を見つめています。

 

「おっかしなー? 確かに声がしたのに・・」

白文鳥から顔をそらした一平は、

またキョロキョロと部屋中を見回しました。

 

「わたしですよ。あのぉー、わたし・・」

「へっ?」

一平が声のするほうに向きなおると、

なんと、しゃべっているのは、昼間窓から

迷い込んできた、その白文鳥なのでした。

 

「えぇーーっ! 文鳥ってしゃべるの?」

 

ポカンと大きく口を開ける一平。

まん丸い眼をして、穴のあくほど、

じっと白文鳥を見つめていました。

 

「これは夢だ。夢にちがいない」

「・・そんなこと、ないですよ」

 

 

文鳥は、小さいけれどもよく通る声でそう言うと、

四角いトーストの上に、チョコンと座ったまま、

一平を見つめているのでした。

 

「だって、・・・文鳥がしゃべる鳥だったなんて・・・」

しゃべる鳥というと、オウムとかインコとかでしょうか。

 

でも、文鳥だってしっかりとしゃべる鳥だってことが、

一平はその日初めて知りました。

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