5、小熊のクーちゃんと川の神様 – 元の姿に戻るクーちゃん
川の神様を目の前にしたクーちゃん。
緊張しながら、
「あの~、これ、川の神様に食べてもらおうと思って」
と、ビクビクしながら水草のサラダを差し出すのでした。
それを見た川の神様はうれしそうに笑いながら、
「おお、これは水草のサラダじゃないか。
お前、どうしてわしの大好物を知っているのじゃ。
まあいい、ありがとう。では、さっそく頂くとしよう」
と、大喜びの川の神様。
水草のサラダを口に入れて、
ムシャムシャ食べ始めました。
すると、とたんに塩辛さが口いっぱいに広がり、
顔をクシャクシャにする川の神様。
それを見た、クーちゃん。水の妖精に言われた通り、
「神様食べた~、神様食べた~」
と、大きな声で叫んでいました。
「ウワッ、ウワッ」
と言いながら、お水を口にする川の神様。
「お前、こんなイタズラをしおって」
と、顔を真っ赤にしながら、カンカンです。
「よし、バチを当ててやる。さて、どうしようか。
そういえばさっきイタズラ小熊をお魚に変えてやった
からな。そうだ、では、お前をその小熊に変えて
やることにしよう」
そう言うと、川の神様は、エイッとばかりに、
お魚のクーちゃんを小熊に変えてしまったのでした。
ふと、クーちゃんが目を覚ますと、
川原で寝ていたのでした。
あわてて自分のからだを見て確かめると、
ちゃんと元の小熊の姿になっているのです。
「わ~い、わ~い。元にもどったんだ。
水の妖精のおねえさん。ありがとう」
川の中で様子をうかがっていた水の妖精のおねえさんは、
ニッコリと笑いながらクーちゃんにうなずいていました。
そして、喜びいっぱいのクーちゃん。
お母さん熊に手を引かれて、
一緒に森の奥のお家へと帰っていきました。
おわり