大人の童話館

自作の創作童話やエッセイなどを投稿していきます。

3、お星さまとすずめの子 – 仲良しの二人

 

すずめの子と星の子は、すっかり打ち解けて仲良し

になっていました。

 

すずめの子は巣から下の地面へと降りていき、

二人は仲良く遊んでいたのでした。

 

しばらくすると星の子が、

「さて、困ったぞ」

と、空を見上げてつぶやくのです。

 

「どうしたの?」

「実はぼく、まだ空の飛び知らないんだ。

前に落っこちたとき、助けてくれた流れ星

のおじさんに教えてもらう約束したのだけど、

今、遠くへ行っちゃってるから、

まだ習ってないんだ」

 

「なんだ、そんなことか。それなら、

ぼくが空の上まで送ってあげるよ」

 

「ええっ、本当かい。助かるよ、ありがとう」

 

星の子は、ペコリとすずめの子に頭をさげました。 

「いいさ。でも、その代わり約束してくれないか?」

と、すずめの子が言いました。

 

「なにを?」

と、星の子が聞き返します。

 

「君がしっかりと空を飛べるようになったら、

きっとまた遊びに来てくれるってことさ」

それを聞くと、星の子はニコニコしながら、

「わかった。必ず遊びにくるよ」

と、すずめの子に約束するのでした。

 

「いいかい、しっかりとぼくにつかまってるんだよ」

と、すずめの子は背負った星の子に言いました。

 

「うん、わかった」

星の子の返事を聞くと、おもいっきり羽を広げた

すずめの子は、小さな羽で一生懸命に羽ばたくのでした。

すると、あっという間に雲を突き抜け、

真っ青な空の上へと星の子を送ってあげたのでした。

 

その日の夜、キラキラ輝くお星様の中に、ひときわ強く

キラリと輝く小さな星が見えました。

 

『きっと、あいつだな』

すずめの子は心の中で思いました。

 

そして右目で、パチンとウィンクを返しました。

 

『もう落ちるなよ!』

すずめの子が心の中でそう言うと、

『わかってるよ』とでも云うように、

星はますますキラキラ、キラキラと輝くのでした。

おわり

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