大人の童話館

自作の創作童話やエッセイなどを投稿していきます。

6、愛犬ポポの物語-犬から見た順位とは

要するに、ボクと姉、どっちが上でどっちが下か。

自分も含めて、犬から見た縦の順位に従って行動する、

それが犬というものなのです。

 

これは、先祖であるオオカミたちが群れて生活していた頃の名残です。

1つの群には徹底した縦社会が構築されているのです。

 

そして、下の順位の者は上の順位の者へ絶対的に服従するのです。

これが先祖にオオカミを持つ犬の本能なのでした。

 

要するにポポから見た順位としては、姉が上でボクが下。

群れの上位者である姉が呼べば、

本能に従ってそっちへ行かざるを得ないといったところでしょう。

 

成程と了解してみると、確かにポポは、姉の言うことには従順でした。

姉が“お座り”と言うと、ちゃんとやってくれました。

“お手”と言っても、サッと手を出します。

その他、常に姉の顔色を伺って、

機嫌を取ろうなんて仕草まであったような気がします。

 

でも、これがボクとなると、

そんな素振りはゼンゼンありませんでした。

“お手”と言っても、“お座り”と言っても、

ノロノロとやっとやってくれたり、

 

お義理でちょこっとだけだったり、

ムシされたことだってあります。

 

これがとことん徹底した、犬たちの本能。

犬から見た順位というもの。

 

最初、“ボクをバカにしているのかな?”

って思ったりもしましたが、

つまりは、そうなのでした。

 

ポポはボクを姉の下の順位の者として認識していわけです。

“せっせと面倒を見てるのに”と言ったところで犬には通じません。

 

自分を含めて飼い主やその家族を順位でしか判断しない犬には、

自分より上の順位の者でなければ、

言うことを聞いてくれない生き物なのです。

 

そして、これって実は、

“犬のしつけ”にとっては非常に大切なことなのです。

 

つまり、犬がちゃんと言うことを聞いてくれるようになってくれるためには、

飼い主やその家族は、

犬よりも上位者でなければならないということです。これが、

“犬のしつけ”にとって第一に心掛けなければならないことなのです。

 

10年ほどは頑張ってくれたポポでしたが、その最後は老衰でしょうか。

静かにあちらに旅立っていきました。

 

命あるものは、いつかは旅立つもの。そんなことは百も承知しております。

でも、いざそうなった時の気持ちは、言葉ではなかな言い表せるものでも

ありません。

 

ただ、その思い出だけは、たぶんボクが逝くまでずっと、ボクの

心の中にデンと居座っているものと思われます。

おわり

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